今年は、南医療生協創立45周年、南生協病院30周年にあたります。21世紀になってから医療、福祉の環境は地球温暖化以上に劣悪になってきています。私が医師になった30年前の時代は「医療の氷河期」と言われていました。今の時代をなんと形容したらよいのか、良い言葉が見つかりません。
「人は優しいが制度が惨い時代」になりました。市場経済・自己責任の論理が進み、このまま進めば格差社会が進み、患者の中にアメリカのように「医療費破産」が多く生まれます。
また劣悪の医療環境のため、医療者の中にイギリスのように多くのメンタルケアの必要な労働者が増えてきます。このような時代の中で、民医連や医療生協と言う組織の存在価値があると思います。
さて、世の中で組織の寿命は10年から20年と言われています。優れた組織は、その折にふれて更なる前進のためにイノベートしたり、パラダイムシフトを行なっています。
南医療生協は伊勢湾台風の援助活動を通じて地域住民の要求の中から、住民たちの力で誕生しました(第一期)。
その後15年して南生協病院が建設されました(第二期)。真の意味での、市民立病院です。そして今年、病院の新築移転が決まり第三期に入りました。これまでの医療生協の良い点をのこしつつ、新たな第一歩を進もうとしています。
現在、09年春の新病院オープンに向けて職員・患者さま・生協組合員の意見と知恵を集めるべく通称「千人会議」の中で論議を始めています。地域の人々や医師会から期待される急性期病院としてワンランクアップの機能と医療の質を備えた病院を構想しています。
その中でも一番大切なことは、「人」です。新臨床研修システムの中で、最近は6〜8名の研修医を毎年迎え、約50%の医師が後期研修を当院で行っています。
また看護師も、患者さまや地域の組合員・住民とふれあい、またチーム医療の活動を通じて、看護師としての生き甲斐を学び、感じています。さらに、院内保育や、病児保育の体制が完備され、子育てしながら働く上での支援体制もできました。より多くの、医師・看護師をはじめとする方々が、新しい病院作りに参加されることを期待します。